心理学 ノート(1)
項目
1.『心理学』
2.『認知』
3.『発達』
4.『社会・集団』
5.『心理臨床』
6.『脳と心』
7.『感情』
1.『心理学』
心理学:「心と行動の研究」
→【語源】:Psyche(精神・魂)+Logos(論理・言葉)
【起源】:古代ギリシャ哲学
⇒・アリストテレス:霊魂論(すべてのものに霊魂が宿る)
・デカルト:生得論(人にはもとから心がそなわっている),心身二元論(心と体を別々に考える),心身相互作用説
・ロック:経験説(人は最初、「白紙(タブラ・ラサ)」の状態である)
【重要人物】
・ヴント:ライプツィ大学にて心理学実験室 開設(1879年)
→科学としての心理学 始動
・エビングハウス:名言「心理学の過去は長いが、歴史は短い」⦅ドヤッ⦆
【分野】
・基礎心理学:「人間の心の普遍性かつ根本的な構造のあり方を探求」
⊡学習心理学;心の動きを学習でとらえる
⊡発達心理学;成長に伴う心の変化
⊡人格心理学;性格の成り立ち
⊡社会心理学;集団、人間関係 etc.
・応用心理学:「心理学の基礎理論を実際の問題解決に広く応用、さらには他の諸科学にも応用しようとする」
⊡災害心理学;パニック
⊡産業・組織心理学;仕事、消費者、効率性
⊡スポーツ心理学;試合の緊張
⊡交通心理学;小っちゃい分野 But 企業からのニーズあり
⊡臨床心理学;心理の使い方 etc.
【研究の大切な要素】
・信頼性:結果の一致(いつ、どこで、誰が行っても同じになる)
・妥当性:行う研究が研究の目的に貢献しているか
(魚の数を調べたい【目的】のに、牛の数を調べよう【研究】としている←妥当性×)
【研究法】
・量的研究;とにかく量をこなせ!
→アンケート
・質的研究;やっぱ時代は質だよ
→インタビュー
・観察
・実験
・質問紙(量)
・面接(質)
・心理検査(IQとか)
2.『認知』
認知:思考、学習、記憶、意識、判断
【人間の思考】
・アルゴリズム思考:‣遅い ‣すべての可能性を追求→時間を食う、何もできない ‣正確 (AI)
↑↓ 切り替えが重要
・ヒューリスティック思考:‣速い ‣すべての可能性を探らない ‣多くの場合、正確→特定場面で誤る (経験則・先入観)
⊡利用可能性ヒューリスティック:思い出しやすい記憶ほど頻度や確率を高く見積もること。
⇒例.雷が落ちた現場を目にした場合、常人よりも雷が怖くなる。
↑ 雷は滅多に落ちないのに、落ちたという情報によって自分の目の前では雷が落ちるのだというバイアスがかかる
⊡代表性ヒューリスティック:人がすでに抱いている典型的イメージによって判断や意思決定してしまうこと。
⇒例.ある国に悪いイメージをもっている場合、その国の人やモノ全てを悪とする
連言錯誤:一般的な状況よりも限定された状況の方が事実だと誤ること。Aの確率よりもAかつBの確率の方が高いと誤ること。
⊡係留と調整ヒューリスティック:最初に得た情報から調整(推定)すること。
⇒例.「日本の牛の数は20万頭のそれ以上か以下か」→「30万頭」
↑ 20万頭という最初の情報を手掛かりに答えを調整(推定)している
アンカーリング効果:提示された情報によって思考が左右されること。
⇒例.1万円の高級肉が半額の5千円に!→買った!
↑ しかし元が1万円すると知らなければ、買っただろうか?正直、5千円の高級肉も普段なら買わない気がする…
3.『発達』
発達心理学:「胎児→死(一生)の年齢に伴う変化・不変性を追求」
【変化】
・量的変化:身長、体重、語彙数 etc.
・質的変化:言葉の理解、コミュニケーションのための利用 etc.
【発達の領域】
・身体的発達:身体、脳、感覚能力、身体スキル
・認知発達:学習、記憶、言語、思考、道徳的な推論、創造性
・心理社会的発達:人格、情動、社会的関係
【発達の時期】※()の時期は曖昧 【テーマ】:心理社会的危機
胎児期(受精~出生)
新生児期(誕生~1ヵ月)
乳児期(1ヵ月~1歳半) 信頼感VS不信感
幼児期(1歳半~3歳) 自律性VS恥・疑惑
児童期(3歳~6歳) 自発性VS罪悪感
学童期(6歳~12歳) 勤勉性VS劣等感
青年期(12歳~20歳) 同一性VS同一性拡散
成人期(20代~30代) 親密性VS孤立
中年期・壮年期(40代~50代) 世代性VS自己陶酔
高齢期・老年期(60代以降) 統合性VS絶望
『エリクソンの個別発達分化の図式(漸成説)参照』
【死】
メメント・モリ:「死を想え」
死は”art”=死は生涯をかけて学ぶべき
死を考えること=生を考えること←生涯学習
死:個人的。教育に馴染まない。教えられても、育ませることは難しい。
『教えること:現象の死、他者の論考』
『育むこと:死生観(個人)』
【死の意識】
5歳未満:死?
5~9歳:死…!(恐怖)
魔術的思考(想像が本当になる) 出現
⇒例.自分があの人なんて死ねばいいと思ったから死んだ
↑ 本当の原因は事故や寿命なのに
10~12歳:死は避けられない。魔術的思考が残る。
13~18歳:死を心配、恐怖、避ける。
【死の受容】
否認と孤立 「そんなはずない」「自分に限ってそんなことは」(自己防衛)
↓
怒り 「なぜ自分がこんな目に!」「あいつが死ねばいいのに!」(妬み・憤慨)
↓
取引 「神よ、どうかお助けください」「これから善行しますから、どうか」
↓
抑うつ 「どうでもいい」(喪失感)
↓
受容 「しかたないか」(感情欠落)
4.『社会・集団』
社会心理学:「社会的状況における個人の意識や行動についての心理を研究。集団を個々の集まりではなく1つの集合体として捉え、集合体としての内的な働きや外的な関わりについての研究。(グループ・ダイナミックス)」
【対個人】
・自己開示の互恵性:初対面の2人の自己開示について、一方が他方にする自己開示の度合いが、他方からの自己開示の度合いと相関する。
⇒訳:こっちが心ひらいたら、あっちも心をひらくよ~
・フット・イン・ザ・ドア:始めに低いコストの依頼を行い、相手がそれを応諾した後、本来受けれてほしかった高いコストの依頼をする。
⇒これして「いいよ」あれして「うん」じゃあこれも「しかたないなぁ」
≪確率up↑≫
①第1の依頼を相手に遂行させる
②それの遂行後、相手が親切or熱心な支援者であることを明確にラベル付け(感謝するなどの肯定的フィードバック)
③第1の依頼を相手に十分行わせ、相手の自我関与度を高める(関わった意識をもたせる)
④第1の依頼と関連付けて第2の依頼を行う
≪確率down↓≫
①第1の依頼を受け入れてくれる人がほとんどいないことを相手に伝える
②第1の依頼の遂行に対して、相手に金銭を与える
③第1の依頼の直後、同一人物が異なる内容の第2の依頼をする
④同じ相手に畳みかけて依頼する
・ドア・イン・ザ・フェイス:始めに高いコストの依頼を行い、相手がそれを拒否した後に本来受け入れてほしかった低いコストの依頼をする。
↑ 罪悪感と返報性の法則(もらったら返す)を利用した悪魔の所業
≪確率up↑≫
①同一人物が2つの依頼をする
②両方の依頼によって利益を受ける対象は同一
③依頼内容が社会に貢献するもの
④第1の依頼の直後、第2の依頼が提示される
【対集団】
傍観者効果:人間の行動は、1人という状況よりも傍観者が多いことによって、たとえそれが社会貢献的な行動であっても制限される。
⇒「周囲に人がいたのに」✕→「周囲に人がいたから助けない」
≪要因≫
・評価懸念(周囲にどう思われるだろうか)
・社会的影響(この行動によって自分の今後は…)
・責任の分散(誰かがするだろう)
【実験例】
⊡人は権威をもった人物から命令された際、たとえ第3者に危害を加えるような命令でもどこまで果たそうとするのか。
・スタンフォード監獄実験←実は不備が…?
⊡人は性格より肩書にあわせて行動するようになるのか。
5.『心理臨床』
心理療法:専門家(セラピスト、臨床心理士、公認心理師etc.)が心理的問題を抱えたクライエントを面接によって、問題となるものの消去あるいは軽減(苦痛の解放のみならず人格的成長やよりよい未来の獲得を目標とする)へと導く社会的相互作用。
【心理療法の分類】
・理論的立場、学派
精神分析、認知行動療法、パーソンセンタード・アプローチ、分析心理学、森田療法 etc.
・対象
個人、集団、家族、組織、地域 etc.
・コミュニケーションの媒介
言葉、遊び、箱庭、コラージュ、身体、ダンス etc.
6.『脳と心』
心は精神分野を司る身体の一部。脳と関連深い。
神経組織:筋組織とともにイオン流入をともなう興奮性組織。
大脳・小脳=表層、脊髄=深層
白質:神経細胞の細胞体に乏しく主に神経線維が集まる領域。
神経伝達物質:シナプス(神経細胞間の領域)で情報伝達をする物質。
【大脳】
・大脳皮質
⊡脳の表面部分
⊡知覚、思考、記憶、推理、随意運動など高次機能を司る。
⊡司令塔
⊡一次野:一次的機能(感覚野、運動野etc.)をもつ。
連合野:高次機能が営まれる。(知覚・学習・記憶・注意・思考・判断・言語etc.)
‣前頭葉:思考・運動
‣頭頂葉:感覚・視覚・味覚
‣側頭葉:聴覚・言語理解・内臓感覚
‣後頭葉:視覚・空間イメージ
・大脳新皮質:適応・創造・判断といった意識に関する精神機能をもつ。
・大脳辺縁系:本能行動、情動行動、恒常性維持のための調整などの動物的機能をもつ。自律神経系や内分泌系の統合中枢としての機能。情動や内受容感覚にも関係。
・脳幹・脊髄系:反射・呼吸・循環など生命を維持する必須の植物的な機能。
・大脳基底核:大脳皮質と視床との繊維連絡がずぶずぶの関係。運動調整、認知機能、学習などに関与。
・視床:身体末梢から大脳へ情報をつなぐ中継点。逆も然り。
・視床下部:自律神経系の統合中枢であり、下垂体を通して内分泌系を調整。
・中脳:間脳と橋の中間。運動・視覚・聴覚などに関与。
・橋:延髄と中脳をつなぐ。大脳皮質と小脳の連絡における中継核があり両者の連絡係。
・小脳:協調運動・平衡機能・姿勢の制御など「めまい」に関係。
・延髄:多くの脳神経核が存在。生命維持に必須。呼吸・循環の中枢であり、咀嚼・嚥下・嘔吐・発汗などの中枢でもある。
・脳幹:間脳・中脳・橋・延髄つなげた部分の名称。生体の根幹。←ここをやられたら三途の川を渡ることになる
【心の障害】
・総合失調症:幻覚や妄想という特徴的な症状によって、社会的生活に支障が生じる疾患。自覚しにくい。
⊡陽性症状:幻覚、妄想、自我障害
⊡陰性症状:意欲低下・快楽消失・社会性障害・感情の抑制・会話の乏しさ
⊡認知機能障害(広範)
⊡対人関係、身辺処理、職業・学業の機能低下
・うつ病:気分障害の一つ。抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、食欲低下、不眠などを特徴とする精神障害。
・心身症:身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的、ないし機能的障害が認められる病態。(日本心身医学会)
↑ ストレスなどの心理社会的因子が身体疾患をよんでいる
7.『感情』
・ジェームズ‐ランゲ説:「人は泣くから悲しくなり、殴ったから怒りを感じ、震えるから怖いのだ」→感情よりも自律神経系(心拍、発汗etc.)の身体反応が先行する。
感情の末梢起源説:身体反応→心
・キャノン‐バード説:「ドラマを見て、感動して、涙がでる」→脳(視床下部)が刺激を知覚し、情動がうまれ、身体反応が生じる。
感情の中枢起源説:脳→感情→身体反応
以上、ここまで。